方位・角度・地域の特性

●方位・角度

 各太陽電池メーカーの発電量見込みの値は上記のグラフの様に真南で角度30度の値を100%としていますので、このグラフはパネルを東西に振った場合と角度を変えた場合の比較を示しています。

角度は家の屋根勾配でいうと、
三寸勾配=16.7度
四寸勾配=21.8度
五寸勾配=26.6度
六寸勾配=31.0度
七寸勾配=35.0度
となりますので、6寸勾配が最適ではあります。

 しかし、実際は水平に置けば夏は6寸の家より相当発電しますが、冬に相当落ちる訳で、現実は朝晩の日射条件とその家の方位が最適の角度を決定します。(たまに東向きなのにわざわざ30度まで角度をつけているお宅がありますが、この表からも解る通り無駄なのです。)
当家の場合三寸五分勾配で19.3度であります。年間通してみれば殆ど変わり無い(グラフ参照発電量ですので勾配は三寸以上であれば七寸以下なら全く問題無いと言えます。

 方位は実際に多数設置してみた感想ですと、ここに出ているグラフ以上に東西へ45度以上振った場合は発電量が少ない様ですが、真南から30度以内なら全く気にする必要はありません。

●地域の特性

 当社では当地富士北麓という厳寒の地(山中湖で冬最低気温−20度程)を中心に大泉村から上野原町迄数多く設置しています。

 太陽電池パネルはご承知の通り、夏の暑い時期に発電量が低下しますので、メーカーの出している発電予想見込みより、富士北麓では南向きの家であれば皆余計に発電しています。
しかし、上野原では思ったより伸びません。(皆日当たりは最高の場所)
原因としてはやはり空気が汚いのか?(違っていれば失礼ですが光化学スモッグ注意報もよく出ますし…)

 甲府市内は暑いから駄目かと思うと、当社で設置した南向きは富士吉田より1割も多く発電していて悔しいです。国中の人達は是非設置しましょう。たぶん全国NO.1です。(暑さより日照時間なのです。明野村はご承知の通り全国NO.1の日照時間ですね。境川では真東を向いていても富士吉田と同じ発電量が出ています。)

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取り付け時の注意点

 殆どのお客さんは先に挙げた角度や方位を気にしますが、実際の発電量はその上記二点より、もっとすごい問題があるのです。
 それは、電柱や大木等の縦に一列の影を作ってしまう障害物や案外気づかないのですが、太陽光は当たっているはずなのに思ったより発電していないという場所は、神社のそば等意外にその一帯が暗い感じの場所なのです。これは回りの反射光や空一面の明るさが結構影響しているからです。
例えば日本では全天薄曇りの日が多い(設置してからは大変気になるのです)のですが、同じ曇りでも深い山に囲まれた曇り空と全天が見えている曇り空では明るさがだいぶ違うのです。

 先に戻って、電柱は意外な盲点で、各メーカ−の太陽電池にはバイパスダイオ-ド機能がついていて葉っぱが落ちてもバイパスダイオードで発電量低下は無いとありますが、それは直径10a程度?のもの迄で、大きな影、特に細くても各セルの結線方向と直角に影が出来ようモノならその系列は殆ど死んでしまいます。設置する業者の方も余りメーカーの説明が無いので覚えておきましょう。

 もうひとつの注意点としては、雪止めをどうするのかが、最大の難関であると思われます。各社は30a以上の積雪地域では設置を余りお勧めしませんとの事ですが、当社では全ての現場に部品を取り揃えております。

 当社では多くの現場で雪止め用アングルをつけさせてもらっています。
1998年1月に当地富士吉田でトータル1メートルの大雪となりましたが、おかげさまで太陽光に被害はありませんでした(北面の雪止めが外れて車や倉庫を直撃等々のお客様は何軒か有りましたが)。しかも、溶け出した処から発電を始めていたので、発電量もひと月で通常の半分以下といったお宅は無かった様です(この場合も一番下のアングルの雪が残る処を1系列にまとめてしまうこと)。

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余りお薦めできないお宅

 当社はソーラーの販売だけでないので、以下の例のお宅にはお薦めしていませんが、ここ数年ソーラー発電の訪問販売の会社が乱立し始め、売り上げが少ない営業マンは強引に設置をさせている例もある様です。
 『良くない』という評判は直ぐに広まってしまうので考えものです。


1、まず、本当にあるんですが、日当たりが悪い家なのにパネルが載っている。
  ご本人は少しでも日照があれば我が家は日が当たると思い込んでいるかもしれませんが、太陽電池を設置するなら朝10時頃から2時頃までは十分に日が当たっていて欲しいです。 中には夕方西日が凄い強いと勘違いされている御客様がいらっしゃいますが、朝晩は偏差値の曲線の両サイドみたいなもので切って捨てても余り影響はありません。

2、屋根が小さい家。
  これは意外に多いです。パネルが10枚程度しか載っていない家。東京都内で環境の為に少しでも貢献というなら理解できますが、 発電している実感は本当に少ないと思われます。なんと言ってもKW当りのコストが高くなってしまいます。 本当に設置したいなら家を作り直すかパネルの効率が画期的に良くなるのを待ちましょう。(現在の所、余り期待できませんが,,,,,,,,,)

3、屋根が洋瓦(スペイン風の波が大きい瓦)のお宅はほぼ設置は不可能だと思われます。(色も似合いませんよね。)

4、毎月の電気代が3,000円以下のお宅。
  これも実際にあった話ですが、お年寄り一人暮らしで「余った電気は売れるから」と必要以上のパネルを発電所として設置して莫大なコストをかけた例もある様ですが、現在の東京電力との売買は法制化されているとはいえ、その売買価格はいつまで続くかは確かではありません。
 (2010年現在は「自然エネルギーの一定割合の利用」と「10年間は倍額で買取義務」の制度があります。)
自宅で毎月使っている「1万円程度の電気代が今後要らなくなる」、辺りなら 10年以上生きれば損する事はありません。

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